UOのものづくりの裏側
大阪の縫製工場アーバンに潜入

確かな腕を持つ職人によって支えられている、UOのものづくり。実はUOのアイテムたちは、大阪文化服装学院で学ぶ現役の学生たちがデザイン提案を行い、日本のアパレルを長年支えてきた縫製工場のアーバンが形にしています。今回は普段あまり表に出ることのないものづくりの話を、特別に公開。UOの服の魅力を、デザインといった外側の話だけではなく、内側のこだわりからご紹介します。

産業を支える縫製工場

UOのアイテムの生産を手がける株式会社アーバンは、大阪と大分に工場を構える⾼級婦⼈服縫製加⼯会社。1974年に創業し、百貨店に並ぶようなブランドから国内外で活躍するコレクションブランドまで、幅広いプレタポルテ(高級既製服)を生産しています。今回お邪魔したのは、30名弱の職人が在籍している大阪工場。

現在働いているのは主に関西の専門学校を卒業した優秀な若手職人や、技能実習生、そして熟練の技術をもつベテラン職人たち。新卒採用は毎年行っており、未来の職人を育成する環境も整えているのだとか。

アパレルを取り巻く環境は、穏やかなものとは言えません。工場の後継者不足、物価高や為替変動による原料費や人件費の高騰、環境問題など。特に石油産業に次いで2番目に環境負荷の高い産業(※) であるということは、すでに消費者にも周知の事実となっていて、早急に改善すべき課題とされています。

(※) 国連貿易開発会議のレポートより
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/

そんな厳しい業界でありながらも、アーバンでは技術の後継や持続可能な生産方法の模索などに取り組んでいます。「いち工場でできることなんて少ない」そう言われることもあるかもしれませんが、「ファッション業界で活躍する次世代の人材を育て、縫製⼯場として『作る責任、使う責任』 と向き合う」という姿勢は崩しません。

まさにこの『作る責任、使う責任』 は、 UOの完全受注生産というシステムが体現しています。これは工場が一貫してものづくりを行うからこそ、円滑にできる仕組み。どうしても大量廃棄に繋がってしまう低品質の大量生産ではなく、オーダー分だけを丁寧かつスムーズな流れで生産することで、「無駄なものは生み出さない」という、素材とエネルギーを使ってものを作る側の責任を果たそうとしています。

長年の経験から生まれる、小さいけれど欠かせないアイデア

UOの全アイテムはアーバンの大阪工場・大分工場で作られています。今回お話を伺ったのは、大阪工場長の梅木さん。シンプルだけれど唯一無二のデザインだったり、隠された部分に着心地の良さの秘密があったり。外に見える部分だけではないこだわりが隠されています。

例えば【Everyday No Collar Long Coat】は裏地と表地が一体になっているボンディング素材で軽い着心地が特徴です。しかし裏地がないと、どうしても中に着ている服と引っかかってしまいます。その問題を解消しつつ着心地の軽さを損なわないために、袖部分にのみ裏地をつけて滑りを良くすることで、腕通しを快適にしています。

“sprezzatura” trench coat】はポケットのフラップをアクセントとしたデザインが上がってきましたが、実際にポケットのボタンを閉めたまま着用することはあまり多くありません。そこでフラップ部分は装飾としてポケットの表地につけることで、ポケットに手を入れる所作まで美しくなるような仕様にしました。

中でも【dot stitch wool long coat】は、梅木さん渾身のディテールを入れ込んだそう。ドット刺繍を施したいというデザイン希望をどのように実現しようかと考えた結果、通常の刺繍ミシンではなくボタンホールを作るためのミシンを使用しました。

よく見るとドット模様が長方形になっていて、確かにボタンホールのような形状をしていることがわかります。全体のバランスがエレガントになるよう、ドットの大きさや刺繍の間隔を何度も調整し製品化に行き着きました。中心になるにつれて刺繍の間隔が若干狭まっていくことで、すっと縦に伸びるラインを強調しています。

良いクリエーションには密なコミュニケーションが重要

UOのこだわりのアイテムが一枚のデザイン画から実際の服に至るまでは、さまざまな工程を経る必要があります。通常、アーバンの工場では生地の裁断から縫製、プレス、検品、出荷までの業務を行っていますが、実はUOのアイテムはパターン(型紙)の設計から行われています。アーバンがハブとなり、デザイナーである学生やパタンナーと密にコミュニケーションを取ることで、デザイン画という平面のクリエイションから、実際に着られる服という立体物へと仕上がっていきます。

もちろん何事においても、最初からパーフェクトなんてことはありません。どれだけデザインが素晴らしくても、着心地が悪かったり着用が複雑だと、それはUOが理想とする服ではないからです。学生たちが自由な発想で生み出したデザインを、プロの知見でカタチにしていく。この連携が、UOの何よりの強み。

洋服ができるまでには想像以上にさまざまな工程があります。デザインしたものを型紙におこし、適切な生地やボタンなどのパーツを選定。生地を裁断して設計図を組み立てるように縫製し、問題点がないか丁寧に検品することでようやく出荷準備に入ります。ただ、これはまだまだ製作過程の一部。例えば生地を糸から開発したり、縫製が美しく仕上がるように細かな部分までアイロンをかけたり、ハンガーラックにかかっている状態では見えない過程が一着一着に潜んでいます。

UOのアイテムはこうしたさまざまな工程を経ることで、皆様の手に届いています。そしてこの一着は、アパレル業界の未来を担う若い才能と、今までとこれからを支えている職人の手によって作られています。UOの服を手にしたらぜひ、このストーリーを思い出してみてください。

UO 2022AW コレクション

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