対談記事

最近よく耳にする「サスティナブルファッション」という言葉。持続可能でより良い世界を目指すSDGsと向き合い、縫製工場として何ができるか考えた時、生まれた「UO(ユーオー)」。
完全受注生産による販売方法で、大人の女性たちを彩る新しいブランドが誕生しました。

株式会社アーバンとは?

高級婦人服縫製加工会社として1974年創立。大阪と大分に工場を構え、社員96名でそれぞれの技術やセンスを生かしながらフルアイテムの服作りを行う。「女性を彩り、街を彩り、時代を彩る,,,。常に時代のニーズに応え、サスティナブルで高品質な婦人服を丸縫いする技術に力を注ぎ、他社とは一線を画す技術力を工夫で女性の服作りに従事。

井上社長:私がこの業界に入って50年になります。大阪で創業して約40年。高級婦人服の分野で先陣を切れたら良いなと考え、洋服を作り続けています。

梅木工場長:私たちの会社の強みは、フルアイテムをこなせるということ。いろんな仕様提案が出来たり、洋服をより得するためのアドバイスも発信できる、ということだと思っています。

ファクトリーブランド「UO」が誕生した経緯について

梅木工場長:アパレル業界自体がどんどん衰退していき、物が売れない状況が続いていました。
百貨店もそうだし、小売店も。それに拍車をかける形でコロナが始まり、実際ここ2年くらいは、通常のプレタポルテの仕事が半分以下に減ってしまったというのが現状です。
ここから今の業界をなんとか巻き返そうと思い、SDGsに着目しました。僕らに関係することでいうと、作る責任・使う責任です。
なんとか打開しなくてはいけない、というところから、今回「UO」を誕生させる流れとなりました。
販売は基本的に受注販売。全ての商品を予約販売で売り出し、必要なものを必要なだけ生産するという形に変えて取り組んでいます。

大阪文化服装学院について

創立75年。西日本最大級のファッション専門学校。「ファッションで社会に貢献する」という経営方針の元、ファッション業界との連携に重視、即戦力となる人材を輩出。近年では、独自のデジタル系コースの新設など、DX/ICT コンテンツへの投資も積極的に行い、「国際感覚」×「デジタルスキル」を融合し、新たな価値を創造できる力を学生たちに教育している。

森会長:大阪文化服装学院は1946年に、家庭洋裁を教える学校としてスタートしてきました。しかしながら昭和40年ごろから、家庭洋裁が一挙にへり、プレタポルテに時代の流れが変わっていってしまった。
学校も時代の変化とともに、プレタポルテに合わせた技術を教える学校に変遷していきました。今は750人ほどの学生があり、半分ほどがデザインを学んでいます。昔から強いと言われていたファッションビジネスにも力を入れています。

UOのブランドコンセプトとは?

寅屋敷先生:「UO」の大きなコンセプトは「いま、まだ見ぬあなたに気づくとき」。
このブランドは社会で活躍している女性に着ていただきたいと思っています。最近では、女性が活躍できる場所がどんどん増えていて、私自身も活躍できる場を広げられたらいいなと思っています。そんなとき、女性たちが着る服によって、もっと明るくなり、もっと強くなり、どんどん前に立ちたい、と思えるような、人とはちょっとどこか違うクリエイティブなデザインを取り入れるよう心がけさせています。

縫製工場×ファッション学生。UOが生み出す相乗効果とは

井上社長:「UO」の服は、僕自身が今まであまり作ったことがない服が多いと思います。そういう面は学生さんのデザインの中に随所にでてきてるんじゃないかと思います。もちろん、学校でやるようなものすごく凝ったものというよりかは、「UO」ではやっぱり日常的に着れる商品になっている。
我々は当然売れるものを作ってきていますから、データとして、こういうものがどれくらい売れたかなど学校に返していけたらと考えています。お互いに良くなるように。
僕自身は、「UO」のデザインを手がけた学生さんの中から、世界一流のデザイナーが出たとか、そんなことが望みですね。

梅木工場長:いま、これから羽ばたこうとしている生徒さんのデザインはすごく新鮮なんですよね。今回作らさせていただいた商品も、他のアパレルさんでは見られないようなデザインが多かったです。だからそれらをいかに形にして商品に落とし込んでいくかというところが僕らの仕事で、それをうまくミックスしていきながら、双方の良いところを出していけたらいいんじゃないかな。

森会長:いままで見たことのない服を作れというのが、我々学校の極めて根本的、基本的な姿勢です。
日本のアパレル業界では、トレンドに流されていままであるような服をちょっと変えて売れるようなものを作ろうとする傾向が強くて。我々としては、少々難しくてもいままで見たことのないものをちゃんと製品にできるためのノウハウまでもを含めて学生に教えていきたい。先生方にとったら極めてハードルの高いものとなっているんですけど、そこまで辿り着かないのだったら、世界レベルで一流のファッション専門学校にはならないと思っています。そういう生徒をどんどん輩出していくことによって、日本のファッション業界に少しでもお役に立てたらなあと思います。そういう意味では、井上社長の仰る言葉は大変嬉しいですね。

「UO」ブランドの目指す未来とは

寅屋敷先生:学生たちにとって、実際に売る商品を作っていくということは、とても貴重な経験になります。継続していくことで、大阪文化とアーバンとのコラボブランドをしっかり確立させていきたいです。あとは、学生が卒業したあと、5年10年先に”学生のころ、あの有名なUOのブランドをデザインしました”って胸を張って言えるようなブランドになっていったらとてもいいなと思っています。

梅木工場長:誰かにというよりも、UOを愛してくれる方々に着て欲しいですね。こんな服着たこともないけれど、着てみたいと思って買ってくれるような方。一度買ったらまたここのショップで「UO」のアイテムを買いたいって思わせるブランドでありたいです。当然、工場発信のアイテムなので品質的にもきっちりした持っていうことをわかってもらえるようなお客様に手にとっていただきたいと思っています。

森会長:良いものは、一回着るなりなんなり、手にとるだけでちょっと違うなとわかると思うんですよね。そういうブランドに随時育っていって欲しいと思うし、基本のコンセプトや考え方は変わらずに、しかしずっと同じだと面白くないので、少しづつ変わっていくそんなブランドに育っていって欲しいと思っています。

井上社長:一度商品を買った方が、もう二度と買いたくない、と思ってしまうことは絶対にしません。やっぱりまた買いたいな、と思えるブランドにしてきたいと思っています。